「忙しくてウェブ運用なんてやってる暇はない!」は本当か?

どこで見たのか忘れてしまったのですが、「対面で接客をする小規模店主にはウェブなんてやってる暇はない」みたいな文章を読んで、いろいろと考えるところがあったので、書いて残しておくわけですが、どうやらオチはなさそうなのでご了承ください。

最近、街の細かい動きや人の流れをよく見るようになりました

まずは最近、私のツイッターなどに流れている「あまり大事でない東大阪ガイド」の駄文にお付き合いいただきありがとうございます。

このサイトをはじめるようになってから、私自身の一番大きな変化として、以前よりも街の変化を見るようになったということです。元々、うろうろしながら変なモノを探すのが好きですので、見てはいたのですが、短期間であっても新規でオープンしたり、その反対に閉まっていくお店を多く見かけます。

暇がないくらいお客さんがいるなら、そもそもお店は潰れない

最初にこの記事のタイトルにもある「忙しくてウェブ運用なんてやってる暇はない!」を読んだときは、その通りだなと一瞬思ったわけですが、暇がないくらいお客さんがいるなら、そもそもお店は潰れないわけでして、よく考えてみるとこれを言える人は「忙しくて儲かっていないかもしれないが今のところ潰れる心配をしていない人」なわけです。

で、実際に街を歩いてみると、暇そうなお店がいっぱいあるわけですよ。忙しいのはランチのピーク時だけとか、週末だけとか。

あんまりお客さんがいないんだから、なかなか投資もしにくいのはわかります。そりゃ投資しにくいですよね。

お金を掛けれないのであれば、手間を掛けるしかないわけで、集客はコストを掛けずに自分でやる必要があるはずですし、きっと目先の集客が必要な危ない状況のお店は時間はあるはずです(金策で時間がないとか言われたら、もうどうしようもないですが)。

もちろん店舗を持っていて、経営者が1人ですと、セミナーなどで学ぶために店を閉めるということはできないでしょう。ですが、店を閉めれないことと、勉強する暇がないということもまた別の問題なんですよね。

高齢なのでITのことはよくわからない問題について

これもよくわかります。私のようにウェブがどうこうとかITがどうこうとかいう仕事をしていても、40代半ばにもなれば、20代の人の吸収力とか柔軟性には敵いませんし、60代・70代の店舗経営者で、それを専門にしていない人が今からITの勉強をはじめるって難しいことです。

ITの話を全然外したとしても、チラシとか口コミの営業とかは若い頃はやっていなかったでしょうか? きっと何十年前であっても、集客したいところは何らかの方法で集客活動していたと思いますよ。

となると、高齢になってあまり動けなくなったので、今は昔の貯金(現金ではなく、常連のお客さん)で営業して、「多少暇くらいでちょうどいい。いざとなれば店を畳んで引退」とか思ってたりしていないでしょうか?実はITがわからないのでなく、今さら新たな集客を必要としていない、実行する必要があると思っていないということもありそうです。

こういう話になるとがんばっている若い人から、「年寄りは何もしない」「老害だ」という声も上がってくるわけですが、その世代が築いた地盤で商売しているわけで、少なからず恩恵を受けているはずです。

本来、「わしらががんばって作ってきた街や」という高齢の人と、「今からがんばって食っていきたいんです」という若い人がお互いに尊重して支え合っていくのが、社会としては美しい姿なのかなぁと思います。

そう言えば、最近商店会に入会しない若い人も多いと聞きますが、1軒だけ潤ってても、シャッター街になってしまったら巻き添えを食らいますし、人の流れそのものを作るイベントとか取り組みはみんなで協力した方が派手にできますし、今営業しているところをみんなで盛り上げるという動きも必要だと思います。 (入会したいと思えない会費とかは見直したりして新しい人が入りやすくなる改革は必要でしょうね。)

人口ってこれからどんどん減りますよね

東大阪市はずっと50万都市と言われていたのですが、とうとう人口が50万人を切ってしまいました。一方で固まるところには固まっていて、小学校に人があふれかえっているなんていう報道もあります。

きっと、人口が増えた地域のお店はそれほど強力な努力をしなくても多少は儲かっているでしょうが、こんな話は日本のごく一部で、どこかに集まると言うことは、どこかは必ず減るというのが今の世の中です。

自治体レベルの話だと税収を考えないといけないわけですが、私たちが毎日訪れているようなお店からすると、個人消費を増やしてもらうしか、お金は入ってこないわけです。減税なんて待っててもやってこないですから。

この辺で言えば2019年のラグビーワールドカップによる神風頼みのようなものを感じることがありますが、そんなの瞬間的に過ぎ去ってしまいますし、2年も待ってられないお店っていっぱいありますからね。今日からでもできるようなことがあれば、やっていきたいはずなのですが・・・。

結局やる人はやるし、やらない人はやらないんだけど・・・

ここでウェブの話に戻ってくるわけですが、そんなわけで本来集客の必要性の低い人が「暇がない」と言い、お客さんが来なくて潰れそうなところが何もしていないという状況も生まれていますが、結局勉強する人はするし、しない人はしないという当たり前の結論になってしまいます。

商工会議所とかミラサポのような中小企業・小規模事業主をサポートするようなところはあるのですが、そもそもこういうところで学んだり支援を求められるということすら知らない人もいたりしますし、各地域に民生委員レベルでウェブ活用の相談ができる人が必要なのかなぁと思ったりもします。いや、もしかすると今からなら義務教育の範囲なのか。

もし既に誰かにだまされていたならごめんなさい

と、ここまで長々と書いてきたわけですが、きっとITバブルから20年近く経つし、みんないろいろ試した結果として、何もしないという選択をしたという可能性もありますね。

ウェブで集客に成功したことがない、すごいお金を払ったけれども全然効果がなかった、よくわからないITコンサルタントと称する人にだまされたとかいろいろあったんでしょうね。そりゃ、成功体験がなかったらお金も掛けにくいですよね。ましてや大きな失敗をしてたら。

そうだ、ウェブってあんまり信用されてないんだ・・・。

そう思わせてしまっていたなら、もう我々の業界の責任だったりするわけで大変申し訳ないのですが、10~15年前に比べて相当にウェブを使った集客をする敷居も費用も下がっています。

最終的には自分でやらないとどうにもならないのが今の時代のウェブ集客です。もし暇があって集客したいなら、もう一度チャレンジしてみてもいいと思います。

子どもの頃によく行った最寄りの商店街が2つもなくなってしまったので、生き残っているところはがんばってほしいなぁ、できるだけ地元にお金を使いたいなぁなどと考える今日この頃です。

やっぱりオチなかったなぁ。