ビジネスブログを書いてもらう理由

最近は様々なSNSやサービスを使い分ける必要がありますが、やはり情報発信の基本としてブログが最重要であることも多いです。フォルトゥナでお客さまにブログを書いてもらう場合に考えているメリット・デメリット・役割をまとめてみました。

たった1つの理由とか3つのメリットとかがタイトルに書けない気の弱い坂本です。こんにちは。

ウェブ制作を仕事としていると、やはりブログを書いてくださいということが多々あります。ブログを書くには時間もスキルも必要で、貴重な社長さんや担当者さんの時間を取ってしまうのはわかっていますが、それでも言わなければならない時も多いのです。

今はTwitterとかFacebookとかInstagramとかもあって、何かを伝える「場」には困りませんし、たいていはブログを書くよりは手間も掛かりません。そんな中でもあえて「ブログを書いてください」という場合には、やはり理由があるのです。

今回はブログを書く場合のメリットやデメリットなども含めて、「ビジネスとしてブログを書いてもらう」ということに対する坂本の考え方をまとめておこうと思います。趣味のブログとかそういうものについては、基本的に何でもありだと思ってます。

伝えるためのツールは使い分けが大事だけども・・・

まずブログを書くということが非常に大変なことであるのは認識しています。自分自身のことでも記事を1つでも書くのは大変です。特に最近はちょこっとしたことであれば、Facebookに書き込んでしまうことが多いですし、Twitterだってあります。文章の長さとか検索でどうとか考えなくてもいいので、その方がお手軽です(個人的にはFacebookの方が合っているなぁと思って、主にそちらにあれこれ書いています。Facebookでつながっている友人には、なんかノムさんのように常にぼやいているイメージが付いているかもしれません)。

最近、LINE@での情報配信をはじめましたが、これは実際に自分でサービスを使ってみたかったことと、今までに私のことを知っていたり、ブログを読んでいただいている人とは異なるターゲットに情報を配信して反応を確かめてみたかったので使っています。

目的によって使い分けていて、私にも合ったものと合わないものの両方があります。お客さんにも同じように合う合わないがあるはずで、それぞれのビジネスに合ったツールをおすすめしていますが、一般的な企業の場合、どれか1つと言われればやはりブログをおすすめしています。

ビジネスブログを開設する理由

まずはブログは何のために行うのかを考えてみたいと思います。基本的には以下の3つの目的に集約できるのではないでしょうか。

  1. 検索エンジン・SNSからの露出の増加(への期待)
  2. ステークスホルダーへのアピール(への期待)

それともう1つ大事な部分で「ファンを作る」というのがありますが、最初から意識すると逆に書けなくなってしまいますし、後々の課題とした方がよいと思っています。

もちろん自己顕示欲で書くとかも多少はあると思いますが、それは今回は除外して考えます。

検索エンジン・SNSからの露出の増加(への期待)

まずは1の露出の増加ですが、ブログの記事を書くことで、いろいろな検索キーワードの組み合わせでページが検索されることを期待です。

表示回数が増えると、それなりにコンバージョン数とか成約数も増えることもあるのでしょうが、ではアクセス数が倍になるとそのまま倍儲かるかというとそうではありません。例えば機械部品を製造するメーカーのブログに、社長が食べたラーメンの写真ばかり載っていて、それが名物となってブログを見られてもまず注文につながりません。製品やサービスに関係する内容の記事の表示回数が増えてこそですね。

ここでそもそも論になるのですが、最初からそういう検索されそうなキーワードをページに盛り込んでおけばいいのではないのかという話だと言われますが、そのようなキーワードを全部盛り込むとわかりやすいホームページになるかというとそうでもないです。本来のページには書かないような軽いよもやま話が入っているからこそ、ブログとして読みやすいということもあります。

アクセス解析がまったく行われていないような場合には、あらかじめ先に何ヶ月か解析をしてからリニューアルというのが妥当かと思いますが、依頼があった時点で既に表示が崩れているとか、動作がおかしい場合もあるので、数ヶ月様子を見るよりは、先に手を打った方がいい場合などもあります(そこまで追い詰められている場合には、たいてい何をやっても現状より下がることはないですが)。

ホームページは何人が見たのかも大事ですが、どういう人がどういう目的でどのページを見たのかが大事です。そのデータを少しでも多く得るためにブログを書いてもらい、そ反響やデータを見ることで、元からあるページをより充実させたり、不足しているページを追加したりという手を打つことができるようになります。

ブログを書いたらすぐに問い合わせが増えるということではなく、改善のためのデータ収集の意味合いもあるわけです。

もちろんリニューアルまでにずっとブログを書いていたというような場合には、それまでに蓄積されたデータがあるので、それを元に改善されたページを作り、次の高みを目指すためにまた新たにブログ記事を積み上げていくのです。

守秘義務があったりすると、なかなか具体的には書けないということも多いでしょうが、「こんな問い合わせがあって、こんな風に対応しました」というようなことだけでも残していけば、少なくともウェブにはその記録は残りますし、同じような疑問があった人にとっては、それが解決策になることもあるはずです。短くてもよいので、とにかく何か書いてくださいというのは、そのような「記録の習慣」を身につけてもらうためでもあったりします。

そもそも文章を書くという習慣がない人に、急にブログを毎日書くというのは無理がありますし、あまりにも短いのであれば、TwitterとかFacebookページという手もありますが、検証という部分が難しいため、やはり同じドメインの下で書かれるブログの方が効果としては目に見えやすいだろうなぁと思います。

ステークスホルダーへのアピール(への期待)

ここで言うステークスホルダーとは、株主ではなく利害関係者を指します。先日LINE@で、業務とか製品の詳細とかだけではなく、社員旅行や慰労会などの記事もアップしていいですよと書きました。先述した検索エンジン対策とは異なって、すぐに成果が出るというものではありませんが、会社の雰囲気や風土のようなものを伝えたり、社員のモチベーションや採用を希望している人にありのままの会社を伝えるために有効です。

このような直接サービスとは関係ないような記事や写真は、Facebookページなどで写真を添えて公開すればブログの代用になりますが、Facebookページがきちんと運用・保守できているという条件が付きます。Facebookページを見ると、宴会とか社員旅行しか写っておらず、写真保存サービスのような使い方になるのであれば、ブログに「社員旅行」「親睦会」のようなカテゴリーを作って、混ぜてしまう方がよいと思います。

採用ページなどでたまに見かけますが、モデルを使って擬似的に社内風景を撮影するようなこともあるのでしょうが、面接に来てみると実際の会社の風景と大きく違っていることがわかります。写真の美人は会社のどこを探してもいなかったりするんですよ。きっと僕ならだまされたと感じるでしょう。

ないものを無理に作ってみせるのではなく、なにげなく撮った写真が充実して見える会社に変えていくということが大事なのではないかなと思います。働くお父さん・お母さんって見たことない子も多いですし、人の顔が見えるというのはホームページのイメージ作りに大事ですね。

もちろん「社員が死んだ魚のような目をしている」とか「親睦会の料理が異常に貧相だ」とか「集合写真の柄がチャンプロード(廃刊)のようだ」とか会社のマイナスイメージになりそうな写真は掲載してはいけません。

ちょっと一般的なウェブサイトの使い方ではない気もしますが、中小企業のホームページはそういう意味合いを持っていてもよいと思っています。

とは言え、まずは集客と改善のきっかけにブログを

最初にも書きましたが、集客・検索エンジン対策としてのブログ執筆は非常に手間が掛かります。ですが、ある程度見たままのものの改善が進んでいけば、データなどから改善していかなくてはなりませんし、仮説とその検証にはより多くのデータが必要になってきます。そのためのとっかかりとしてのブログ更新をおすすめしています。

とは言うものの、なかなか思い通りにブログを書いていただけることはあまり多くないため、更新しようとかなぜブログが必要なのか(あるいは不要なのか)をきちんと説明してモチベーションを上げてもらうことが、ウェブ制作者としては非常に重要なことだなと思います。

また更新のための学習コストや難易度を下げることにも気を配っています。特に中小企業がお客さんの中心となるような場合には、大企業のようにホームページの運用に時間も人員も割けないという場合が多いため、更新しようという気持ちを奪うようなサイトの構築はできません。

予算が少ないほど自身でがんばっていただくという形になりますが、成果を出せるよう提案していきたいと思います。データを貯めていただければ改修時によりよいものが作れるという視点からも、皆さんには時間を捻出してブログを書いていただきたいと思います。

月々の運用費も含めた予算を考えておきましょう

こんな風にあらためて考えてみると、最初にきちんと作るのも大事ですが、後から自分たちで更新していくということも、ウェブサイトの活用していくという面では非常に大事だと思います。制作者の目の届かないところが、社内的にも外部的にも実は貴重な情報だったりもしますので。

ですので、完成後にも継続的な費用・時間面の投資を最初から想定してもらうとよいかと思います。

例えば予算が200万円というのであれば、制作費に100万円使うのではなく、初期費用で40万円、以後毎月5万円で最初の年は合計100万円、次年度以降は60万円ずつという感じで、運用に予算を取っていただくのがよいと思います。もちろん成果が大きくなれば運用とか改修に予算を多く割いていただければいいわけです。

3年間で220万円になるじゃないかと思われるかもしれませんが、最初に100万円掛けてその後は放置という状態よりは、次のリニューアルのための大きな財産(意味のあるデータ)が残せるのではないかなと思います。

運用とか改修の費用については、また別の記事に書こうと思いますが、とりあえず「更新に時間やお金を掛けることが重要だ」ということだけ頭に入れておいていただければよいかと思います。

ただ、ゴルフだと先にウェアとクラブを揃えるとか、走るより前にいいジョギングシューズを買ったりとか、形から入ることでモチベーションが高まるという場合もありますので、それはご自身の性格とお財布とご相談ください。